岩石学的にみた沼沢火山におけるマグマ溜りの長期的進化とカルデラ形成噴火の準備過程

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タイトル別名
  • Petrological investigation of long-term evolution of magma chambers and preparing processes of caldera-forming eruption, Numazawa volcano, NE Japan
  • ガンセキガクテキ ニ ミタ ショウタク カザン ニ オケル マグマ タマリ ノ チョウキテキ シンカ ト カルデラ ケイセイフン ヒ ノ ジュンビ カテイ

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抄録

<p>沼沢火山の先カルデラ期とカルデラ形成期の噴出物の岩石記載,斑晶鉱物組成,全岩主・微量成分組成および同位体組成から,沼沢火山では,噴火期ごとに流紋岩~デイサイト質マグマで満たされた珪長質マグマ溜りが再生されたことが明らかとなった.マグマ蓄積率を求めると,カルデラ形成噴火では他の噴火期に比べ2~40倍の早さでマグマが蓄積されたと考えられる.また,4.3万年前の惣山噴火以降,珪長質マグマとともに安山岩質マグマが噴出している.先カルデラ期で噴出した安山岩質マグマは,噴火の主体となった珪長質マグマと同じ同位体組成をもち,起源物質は同じであると考えられる.一方で,カルデラ形成噴火で噴出した3種類のマグマは異なる同位体組成をもつことから,地下の多様な場でマグマが発生し,それが地殻中の浅所マグマ溜りに集積したことが示唆され,このことが大規模なカルデラ形成噴火を発生させた原因の一つになった可能性が高い.</p>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 122 (10), 533-550, 2016-10-15

    一般社団法人 日本地質学会

参考文献 (20)*注記

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