2000年鳥取県西部地震の余震域と非余震域に分布する断層ガウジの比較

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of fault gouges in the aftershock area and the non aftershock area of the 2000 Tottori-ken Seibu earthquake
  • 2000ネン トットリケン セイブ ジシン ノ ヨシンイキ ト ヒヨシンイキ ニ ブンプ スル ダンソウ ガウジ ノ ヒカク

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抄録

本研究では,低活動性断層の活動性を評価する手法開発のために,2000年鳥取県西部地震の余震域と非余震域(日南湖リニアメント)から採取した断層ガウジに対して鉱物学的・化学的手法を用いて,両断層ガウジを比較した.粉末X線回折分析と逐次選択抽出試験の結果,余震域断層ガウジはイライトと緑泥石を主とし,非余震域断層ガウジはハロイサイトを主とする.余震域ガウジの含有鉄は主にイライトに,非余震域ガウジの鉄は主に非晶質と結晶性鉄鉱物に存在する.Lab表色系の色調測定の結果,L値の差はイライトとハロイサイトの違いを表し,余震域ガウジの負値のaは緑泥石の存在を,非余震域ガウジの正値のaは結晶性鉄鉱物の存在を示す.これら鉱物学的・化学的特徴にて,2000年鳥取県西部地震の余震域と非余震域の断層ガウジを明確に判別でき,その見極めには現場露頭でも簡便に実施できる色調測定が有効であることが示唆された.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 118 (8), 459-475, 2012-08-15

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (13)*注記

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