<b>ナノ材料のリスク評価 </b>

  • 蒲生 昌志
    (独)産業技術総合研究所 安全科学研究部門 リスク評価 戦略グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Risk Assessment of Manufactured Nanomaterials
  • ナノ材料のリスク評価
  • ナノ ザイリョウ ノ リスク ヒョウカ

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抄録

<p>ナノ材料は,幅広い分野での技術革新をもたらす期待がある反面,新たなリスクへの懸念もある.OECD やISO といった国際機関を始め,リスク評価のための取り組みが進んできている.ここで,まず関心を集めているのはヒト健康リスクである.リスク評価における困難さは,適切な有害性試験のための試料調製とキャラクタリゼーションにある.ナノ材料の有害性は,経験的には,比表面積と関連しているが,一方で,長い繊維状のカーボンナノチューブには,アスベスト様の有害性の懸念もある.作業環境での暴露ついては,許容暴露濃度の導出およびリスクの評価の事例が出てきた.材料や工程によってはリスクの懸念が否定できないものの,通常の粉じん暴露管理対策が有効であろうと考えられる.欧米の企業に既に見られるように,リスク評価を自社製品の開発・販売戦略の一環と位置付け,積極的にアピールすることが重要になってきた.</p>

収録刊行物

  • 安全工学

    安全工学 51 (1), 2-7, 2012

    安全工学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (34)*注記

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