大気環境中にてSUS 304ステンレス鋼に生成する不働態皮膜におよぼす微量塩類の影響

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  • 鄭 楽薫
    大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻
  • 土谷 博昭
    大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻
  • 藤本 慎司
    大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Trace Amounts of Salts on Properties of Passive Films Formed on SUS 304 Stainless Steel under Atmospheric Environment
  • タイキ カンキョウ チュウ ニテ SUS304 ステンレスコウ ニ セイセイ スル フドウタイ ヒマク ニ オヨボス ビリョウ エンルイ ノ エイキョウ

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抄録

SUS304ステンレス鋼に各種塩の希薄水溶液を塗布した試料を大気環境を模擬した相対湿度90%,60℃の恒温恒湿環境に保持し,不働態皮膜を光電子分光法にて解析した.不働態皮膜の厚さとCr濃度は微量塩類の影響を受けた.この環境中で,ステンレス鋼表面に生成する水薄膜の厚さは塗布した塩の飽和溶液の平衡相対湿度に対応して変化するとみられる.すなわち低い平衡相対湿度の塩を塗布した試料ほど厚い水膜を生成し,その結果Feの選択溶解が進行し,よりCr分率の大きな不働態皮膜を形成する.塩化物はCr濃縮を促進するが,高濃度となると局部腐食を発生した.塩化物を塗布した場合,生成する不働態皮膜は条件次第では高い耐局部腐食性を示すことがあった.硫酸塩もFeの選択溶解を促進するが局部腐食を生じることはなく,不働態皮膜は安定に成長した.

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参考文献 (30)*注記

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