日本人の中年男性における血清CK18 M30抗原濃度と摂取栄養素の関連

  • 菅原 詩緒理
    奈良女子大学生活環境学部食物栄養学科
  • 赤羽 たけみ
    一般財団法人奈良県健康づくり財団奈良県健康づくりセンター
  • 福居 健一
    一般財団法人奈良県健康づくり財団奈良県健康づくりセンター
  • 塚本 幾代
    奈良女子大学生活環境学部食物栄養学科

書誌事項

タイトル別名
  • Association of Serum CK18 M30 Antigen Level with Food Intake in Middle-aged Japanese Men
  • ニホンジン ノ チュウネン ダンセイ ニ オケル ケッセイ CK18 M30 コウゲン ノウド ト セッシュ エイヨウソ ノ カンレン

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抄録

サイトケラチン18 (CK18) 断片M30抗原 (M30) の血中濃度の上昇は, 健康人と非アルコール性脂肪性肝疾患 (nonalcoholic fatty liver disease: NAFLD) の鑑別, さらに単純性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎 (nonalcoholic steatohepatitis: NASH) の鑑別に有用であることが報告されている。本研究は, M30を指標としNAFLDの発症および進展と摂取栄養素の関連を検討した。飲酒量が20 g/日以内の男性162例を対象に, M30の測定, 臨床検査, 栄養素等摂取状況調査および血漿脂肪酸組成分析を行った。M30はBody Mass Index (BMI) , アラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT) , アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST) , インスリン抵抗性指標 (HOMA-IR) , 糖質摂取量およびdelta 9 デサチュラーゼ (D9D) indexと正の傾向性を示した。多変量解析よりM30の上昇は, 穀類摂取量とD9D indexが寄与し, さらにD9D indexには糖質摂取量が関連することが示された。以上の結果より, 糖質摂取量の増加が脂肪酸代謝を変化させることによって, 血清中のM30濃度を上昇し, NAFLDを発症・進展させる可能性が示唆された。

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参考文献 (31)*注記

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