ブドウ‘デラウェア’の休眠枝ざしの発根における光合成の関与

書誌事項

タイトル別名
  • The Involvement of Current Photosynthesis in Rooting of Hardwood Cuttings of ‘Delaware’ Vines
  • ブドウ"デラウェア"の休眠枝ざしの発根における光合成の関与〔英文〕
  • ブドウ デラウェア ノ キュウミン シザシ ノ ハッコン ニ オケル コウゴウ
  • The Involvement of Current Photosynthesis in Rooting of Hardwood Cuttings of ^|^lsquo;Delaware^|^rsquo; Vines

この論文をさがす

抄録

ブドウ‘デラウェア’の休眠枝ざしにおける発根と光合成の関係を明らかにするために, さし木33, 43, 62日後に14CO2を施し, 6, 24, 72時間後のさし穂内におけるアルコール可溶性物質中の14Cの分布を調査した.<br>さし木後の日数の経過とともに, さし穂内に取り込まれる14Cの総量は著しく増大したが, 発根開始前の33及び43日後では, 施用72時間後でもそのほとんどが新芽中に存在した. しかし, 発根がみられた62日後では, 施用後の時間の経過とともに新芽から新根へ転流する14Cの量が増大し, 新根が光合成物質に対する sink として働くことを示した. また, 62日後のさし穂について, 14Cの糖, 有機酸及びアミノ酸物質への分布を調査したところ, 施用6時間後では, さし穂のいずれの部位においても14Cのほとんどが糖中に存在した. そして, 茎では上半, 下半ともに, 14Cの分布割合の変化は少なかったが,新芽及び新根では, 時間の経過とともに糖中の14Cが減少し, 有機酸中の値が増大した. また, 新根では, アミノ酸中の14Cもわずかに増大した. このように新根において有機酸及びアミノ酸への14Cの取り込みが増大したことは, それらが新根の発育に関係するものであることをうかがわせた.<br>本実験の結果は, ブドウ‘デラウェア’の休眠枝ざしにおける光合成が, 分化後の根の発育に重要な役割を果たすことを確証づけた.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 55 (4), 429-433, 1987

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (7)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ