リンゴ果実の成熟におけるエチレン生成と青酸代謝

書誌事項

タイトル別名
  • Cyanide Metabolism Linked with Ethylene Biosynthesis in Ripening Apple Fruit
  • リンゴ果実の成熟におけるエチレン生成と青酸代謝〔英文〕
  • リンゴ カジツ ノ セイジュク ニ オケル エチレン セイセイ ト セイサン

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抄録

リンゴ果実の発育過程及び収穫後におけるエチレン生成と青酸代謝との関係を調査した. 幼果ではエチレン生成量もβ-シアノアラニン合成酵素活性も低かったが, 成熟の開始とともに両者とも著しく増加した. それらの上昇に付随してACC, CN-含量の増加も見られたが, CN-含量の増加の程度はそれほど大きくはなかった. β-シアノアラニン合成酵素活性がACC含量及びエチレン生成の増加に平行して急激に増加することは, リンゴ果実の成熟の開始とともに活発な青酸代謝が機能し始めることを示している. これまで, 果実の成熟に伴ってシアン耐性呼吸が増大することが知られているが, この呼吸の増大にβ-シアノアラニン合成酵素活性の増加が関与していると思われた. リンゴの果肉組織内におけるCN-の局在性を調べたところ, 多くのCN-が細胞の膜構造に強く結合しているようであった.これらの性質や機能については今のところ不明である.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 56 (1), 31-38, 1987

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (27)*注記

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