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- 新居 直祐
- 名城大学農学部
書誌事項
- タイトル別名
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- The Growth of Citrus Fruits, Satsuma Mandarin and Hassaku, in Relation to the Development of Tissue Systems in the Leaf and Fruit Stalk
- ウンシュウミカンとハッサク果実の肥大生長と葉及び果柄の組織系の分化・発達との関係
- ウンシュウ ミカン ト ハッサク カジツ ノ ヒダイ セイチョウ ト ワ オヨ
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説明
本報告はウンシュウミカンとハッサク果実の肥大生長を果実横径と果実重 (生体重と乾物重) の相対生長率並びに生長速度の推移から検討し, 更に, 葉と果柄の組織系の分化•発達過程から考察したものである.<br>果径と果実重のRGRの推移をみると, 両種とも開花直後のピークを除いて, 開花3週目に極大を示し, その後低下する傾向がみられた.<br>果径と果実重の生長速度の変化から, 両種とも果実の肥大曲線は1つのS字曲線を描いた. 果径肥大の生長速度は, 果実発育初期より高く, ウンシュウミカンでは9月中旬ごろまで, ハッサクでは10月上旬ごろまで高い値が続いた. これに対して, 果実重増加の生長速度は,果径肥大より遅れて高まり, ウンシュウミカンでは8月中旬~10月下旬にハッサクでは7月中旬~10月下旬の期間に高かった. 果実の生体重と乾物重め生長速度曲線は両者の間に相違はほとんどみられなかった.<br>葉肉の厚さは, 両種とも6月上旬ごろまでにほぼ一定となった. ウンシュウミカン葉のさく状組織, 海綿状組織及び細胞間隙の分化•発達は, それぞれ5月下旬~6月上旬の期間に, ハッサク葉のそれらは5月中旬~6月上旬の期間に発達し, ほぼ完成する傾向がみられた.<br>中肋の維管束を木部の発達から観察したが, ウンシュウミカンでは, 5月上旬にすでに維管束の分化がみられ, 5月下旬ごろまで急速に発達し, 6月中旬にはほぼ完成した. ハッサクではその分化•発達がウンシュウミカンより1週間ほど早く, 特に5月中旬ごろまで顕著となり, 6月上旬ごろまでに, ほぼ完成する傾向がみられた.<br>果柄の横断面から維管束の分化•発達程度を木部を中心に観察したところ, 両種とも開花約1か月前の5月上旬に, すでに道管の分化がみられ, その後開花4週目ごろまでの発達は著しく, 7月中旬ごろまで続けて発達し, その後9月上旬ごろまでわずかながら生長し続ける傾向がみられた.すなわち, 果実重の生長速度が最大を示す時期までに, 維管束は完成するようであった.<br>ハッサク果実はウンシュウミカンより大果となるが, 果柄径も太く, 木部長, 道管径もウンシュウミカン果実の場合より, 大きく発達していた.
収録刊行物
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- 園芸学会雑誌
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園芸学会雑誌 49 (1), 23-35, 1980
一般社団法人 園芸学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681278305536
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- NII論文ID
- 130001160621
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- NII書誌ID
- AN00025257
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- ISSN
- 1880358X
- 00137626
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- NDL書誌ID
- 2182177
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可