書誌事項

タイトル別名
  • Chilling Injury in Eggplant Fruits
  • ナス果実の低温障害に関する研究-6-品種間におけるナス果実の貯蔵性とフェノール含量の関係について
  • ナス カジツ ノ テイオン ショウガイ ニカンスルケンキュウ 6 ヒンシュカン
  • VI. Relationship between Storability and Contents of Phenolic Compounds in Some Eggplant Cultivars
  • 品種間におけるナス果実の貯蔵性とフェノール含量の関係について

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説明

本研究は, 数品種のナス果実を貯蔵し, それぞれの果実の貯蔵性を調べるとともに, ナス果実の貯蔵性とフェノール含量の多少との関係を調べ, 千両については, 貯蔵性と収穫時の最適熟度について検討したものである.<br>(1) 1°C貯蔵では実験に供した9品種ともピッティングとそれに伴うかっ変が発生し, 商品性保持期間は8~13日であった. また1°Cの温度下ではアントシアンの多い品種では黒斑も発生し品質の低下を促した. 20°C貯蔵では9品種とも光沢の減少やしなびが貯蔵初期の品質低下の原因であり, 貯蔵後期では, 千両, 大阪千成長, 窪田丸, 大芹川並びに白大円ナスでLはがくの腐敗B.H.ではがく全体の離脱, 白大長ナスでは果皮全体のかっ変, 泉州水ナスでは直径2cmぐらいの果皮かっ変の発生が商品性損失の主な原因であったが, これらの中では低温障害が出ない貯蔵温度では泉州水ナスが最も長期間貯蔵できた.<br>(2) 1°C貯蔵での品質低下の主な原因であるピッティングの発生は, 9品種とも適熟果で最も多く, 未熟果では果実全体のかっ変のためほとんど認められなかった. 白大長ナス, 泉州水ナス, 白大円ナスの過熟果は, 適熟果と同程度のピッティングが発生したが, 他の品種の過熟果ではあまりみられなかった.<br>(3) 千両を1°, 10°, 15°並びに20°Cに貯蔵すると15°C貯蔵で商品性保持期間が最も長く, また, 適熟果でも早採りの果実 (開花後13~15日) より遅採りの果実 (開花後17~19日) の方が商品性保持期間が長かった.<br>(4) o-ジフェノール含量の多い果実は, 1°C貯蔵した場合, ピッティングが発生しやすく, 20°C貯蔵した場合にも泉州水ナスを除いては果皮かっ変などの障害が発生しやすかった. ポリフェノールオキシダーゼ活性は熟度間並びに収穫時季について比較すると, 活性の高い果実でピッティングなどの低温障害が発生しやすい傾向はみられたが, 品種間では障害の発生の難易との間には明らかな関係はみられなかった.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 49 (2), 269-276, 1980

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (6)*注記

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