ブドウ‘デラウェア’における光合成産物の転流と分配

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タイトル別名
  • Translocation and distribution of photosynthates in ‘Delaware’ grapes
  • ブドウ デラウェア ニ オケル コウゴウセイ サンブツ ノ テンリュウ ト ブ
  • Translocation and distribution of photosynthates in ^|^lsquo;Delaware^|^rsquo; grapes

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抄録

ブドウ‘デラウェア’の葉に14CO2を施用し, 6, 24, 72時間後, 14C-物質が各器官にどのような割合で分配されているか, さらに, 第2実験では14CO2施用6時間後に, それが糖, 有機酸, アミノ酸にどのような割合で分配されているかについて調査した.<br>1. 葉中に認められたアルコール可溶性及び不溶性14C-物質は時間の経過に伴い減少した. 葉から枝梢, 幹,根に転流した14Cは14CO2施用24時間目以後, 不溶性物質中で増加し, 可溶性物質中での増加は認められなかった.<br>2. 果肉中に転流, 分配された可溶性14C-物質の量は, 果粒生長の盛んな第1期と糖の蓄積期である第3期で増加し, 特に第3期で著しかった. 一方, 不溶性物質中の14Cは第1期に比較的多く認められた.<br>3. 種子中に転流, 分配された14C-物質は可溶性よりも不溶性の方が多く, 両者とも果粒生長の第1期から第2期にかけて増加し, それ以後は急減した.<br>4. 葉や枝梢中の14Cは, 糖では主として sucrose, glucose, fructose に, 有機酸でも malic acid, tartaricacid に認められ, 果粒中でも sucrose を除いて葉や枝梢と同様であった. しかし, これらの物質への14Cの分配率は時期により著しく異なっていた.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 54 (2), 184-191, 1985

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (9)*注記

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