ハッサク果実のこ斑症発生に関する生理化学的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Biochemical and Physiological Characteristics as Related to the Occurrence of Rind-Oil Spot in <i>Citrus hassaku</i>
  • ハッサク果実のこ斑症発生に関する生理化学的研究〔英文〕
  • ハッサク カジツ ノ コ ハンショウ ハッセイ ニ カンスル セイリ カガクテ
  • Biochemical and Physiological Characteristics as Related to the Occurrence of Rind-Oil Spot in Citrus hassaku

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説明

ハッサク果実を低湿度(75~80%RH)及び高湿度(90~95%RH)条伴の下, それぞれ2, 5, 10, 15, 20°Cの温度で長期間貯蔵して, 果実及び果皮内成分及び果実呼吸, エチレン生成などの生理的変化とこ斑症発生との関係について調査した.<br>果汁の全可溶性固形物(TSS), 滴定酸(TA)及び糖酸比 (TSS/TA) はこ斑症発生か認められた貯蔵30日めまでは各温度区に顕著な差異がなく, こ斑症発生との関係は認められなかった. 全果皮及び果皮各部(果梗部, 赤道部, 果頂部) 内有機酸含量は, 共にいずれの温度区においても貯蔵期間中に減少したが, 低温区ほどよく保持された. 全炭水化物(TNC)と還元糖含量は, 貯蔵中減少するものの一定の傾向は認められず, 一方果皮各部ては部位別, 貯蔵温度, 及び湿度条件に対し各々特異的な変化が認められ, 低湿度条件は果皮内の生化学的代謝活性変化に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった.<br>果実呼吸, エチレン生成量はいずれも高温区ほど高く推移し, その傾向は低湿度条件下て顕著てあった. また, 低温(2, 5°C)貯蔵果実を常温(20°C)においた場合乎吸量が激増するのが注目された.<br>以上の貯蔵期間中の変化及び貯蔵90日めにおける健全果とこ斑症発生果における比較から, こ斑症発生と果実呼吸, エチレン生成には相関が認められ, 果皮内TNC含量もまたこ斑症発生に大きく関与していることがうかがわれた.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 57 (3), 521-528, 1988

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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