ジベレリン処理によるブドウ‘マスカット•ベーリーA’ の無核果生産の安定化に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the Stabilization of GA-induced Seedless Berry Production in Muscat Baily A Grapes
  • ジベレリン処理によるブドウ′マスカット・ベーリーA′の無核果生産の安定化に関する研究-1-花型の変異と無核果形成との関係について
  • ジベレリン ショリ ニヨル ブドウ マスカット ベーリーA ノ ムカッカ セイ
  • I. Variation in Flower Types and its Effect on Seedlessness
  • (第1報)花型の変異と無核果形成との関係について

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抄録

マスカット•ベーリーAにおける花型の変異を調べ,この花型の変異がジベレリンによる無核化の不安定性にどのように関与しているかを検討した. 更に, ブドウ属雄個体の雌性形質誘発に有効であるBAを併用して, 花型の変異ならびにジベレリン処理効果に及ぼす影響を調査した.<br>1. 本品種は完全両性花, 不完全両性花, 雄花の3つの型の花をつける. それぞれの発生ひん度は年度, 剪定方法によつて変動した. そして, 不完全両性花にくらべて完全両性花の結実率, 果粒重は大であつたが含種子数は少ない傾向がみられた.<br>2. ジベレリン処理を行うと, 不完全両性花にくらべて完全両性花のほうが無核果率, 結実率ならびに果粒重が大になった.<br>3. 開花2,3週間前にBA処理を行うと, 完全両性花の割合が増加したが4週間前高濃度処理では不完全両性花の割合が増加した.<br>4. BA処理花穂にジベレリン処理を行うと, 2週間前 BA 125, 250ppm 処理で95%以上の無核果率を得た. 一方, 4週間前高濃度処理では対照区より低い無核果率を示した.<br>5. 以上のことより, 本品種のジベレリンによる無核化の不安定性に花型の変異が関与していることが示唆された. そして完全両性花の割合を増すことによって, より安定した無核化が得られると考えられる.<br>本論文の概要は昭和49, 50年度園芸学会春季大会において発表した.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 46 (2), 173-180, 1977

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (2)*注記

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