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- 山下 研介
- 宮崎大学農学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Chimerism of Kobayashi Mikan with Special Reference to Its Epidermal System Observed by Scanning Electron Microscopy
- 小林ミカンのキメラ性に関する研究--特に器官表皮系の走査電顕観察について
- コバヤシ ミカン ノ キメラセイ ニカンスルケンキュウ トクニ キカン ヒョウ
- 特に器官表皮系の走査電顕観察について
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抄録
本実験においては, 温州ミカンとナツダイダイの接木キメラといわれている小林ミカンを材料として, 葉, 花器, 果実などの器官表皮系を走査型電子顕微鏡で観察し, 温州ミカン, ナツダイダイのそれと比較した. 得られた観察結果は次のとおりである.<br>1. 新葉の向軸側表皮, 背軸側表皮には, 3種ともにしわ状模様が観察された. このしわ状模様はナツダイダイでは粗く, 温州ミカンでは密で細かかった. 小林ミカンのしわ状模様は温州ミカンのそれによく似ていたが, 温州ミカンにみられるような円形の台状隆起は確認されなかった. 新葉の背軸側表皮に存在する気孔の形状は3種間でやや異なり, 温州ミカンは陥没型, ナツダイダイは隆起型で, 小林ミカンは温州ミカンタイプに近かった. なお, 旧葉については3種間で顕著な差はみられなかった.<br>2. 幼果 (7月) の果面について3種を比較すると, 温州ミカンでは他2種と違って随所に直径400μ程度の陥没部が存在し, 溝状模様が観察された. またナツダイダイでは果面全体に小さな凹凸がみられ, 気孔は直径600μ程度の陥没部中に存在した. これに対し小林ミカンでは, ナツダイダイより更に小さな凹凸がみられ, 気孔周囲に顕著な輪紋が存在した. 着色果 (11月) の果面について3種を比較すると, ナツダイダイでは果面全体に大小様々なワックスが集積して粗いのに対し, 温州ミカンでは比較的滑らかで微小なワックスの集積がみられた. 小林ミカンの果面は前2者の中間というよりもむしろ温州ミカンに近い形状を示した.<br>3. 花弁の向軸側表皮, 背軸側表皮にみられるひも状模様は, ナツダイダイではかなり粗いのに対し, 温州ミカンと小林ミカンでは細かくて表面が滑らかで両者はきわめてよく似ていた。花系のひも状模様についても小林ミカンと温州ミカンは極めてよく似ており, ナツダイダイにみられるような半うずまき状模様は存在しなかった.<br>4. 小林ミカンとナツダイダイの花粉はよく似ており, 大きさ, 表面の模様, 発芽孔の形状と数などに差がみられなかった.<br>5. 花柱, 葯, 子房の表皮系については3種間に差が認められなかった.
収録刊行物
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- 園芸学会雑誌
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園芸学会雑誌 48 (2), 169-178, 1979
一般社団法人 園芸学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681279569024
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- NII論文ID
- 130001160642
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- NII書誌ID
- AN00025257
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- ISSN
- 1880358X
- 00137626
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- NDL書誌ID
- 2062246
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可