筋強直性ジストロフィー患者の咀嚼機能障害

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タイトル別名
  • Masticatory Disturbances in Patients with Myotonic Dystrophy
  • キン ゴウチョクセイ ジストロフィー カンジャ ノ ソシャク キノウ ショウガイ

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抄録

筋強直性ジストロフィー: Myotonic Dystrophy (MyD)患者の咀嚼障害の特徴は, 咀嚼筋力が弱く咬合状態が悪いために咬合力が低下すること, 弱い咬合力を高い咀嚼筋活動量で代償して咀嚼していることが挙げられる. 食品については有歯顎者であっても健常者の総義歯装着者と同等の食品数しか咀嚼できておらず, 食形態に配慮する必要性がある. また, 嚥下の準備段階としての食物の粉砕不足と食塊形成不全という形で, 咀嚼障害が嚥下障害に関与している可能性がある. 長期的にも日常生活動作(ADL)の低下にともなって, MyD患者の咀嚼障害は進行しており, とくに咀嚼筋の筋力低下による影響が大きいと考えられる. MyD患者の適正な食形態を検討するためには単一の咀嚼嚥下機能検査のみでは不十分で, 咬合力や咬合状態, 舌運動などを総合的に評価し, 経時的な咀嚼障害の進行も考慮する必要がある. そしてMyD患者にとって粉砕しやすく, 食塊を形成しやすい食形態を検討し, 嚥下に影響を及ぼさない食事を提供することが重要である.

収録刊行物

  • 医療

    医療 61 (12), 791-796, 2007

    一般社団法人 国立医療学会

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