川崎病の冠動脈障害

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タイトル別名
  • Coronary Arterial Involvement in Kawasaki Disease
  • カワサキビョウ ノ カンドウミャク ショウガイ

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抄録

400例での造影例での知見をもとに, 川崎病での冠動脈障害について述べた. 川崎病による冠動脈障害は, 造影例(400)の20.5%, 心断層エコー図検査例(969)の11.2%に認められた. 冠動脈障害の非侵襲的診断には, 問診, 身体所見, 心電図, 胸部レントゲンはまず役に立たず, 心断層エコー図に頼る以外にないと結論される. 心断層エコー図の鋭敏度は0.84であつた.<br>急性期の川崎病の冠動脈像を心断層エコー図で観察すると, エコー輝度増強(100%出現)についで8.9病日には冠動脈拡大(46.4%出現), さらに12.3病日には冠動脈瘤出現(33.3%)がみられた.<br>一たん形成された動脈瘤の予後について, 1年間隔で再造影を行つた32例の結果かちは, 冠動脈の狭窄ないし閉塞性病変がかなりの例で進行性であると判断された.

収録刊行物

  • 医療

    医療 35 (7), 616-620, 1981

    一般社団法人 国立医療学会

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