甲状せんがんの頭がい骨転移の1例

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タイトル別名
  • Report on a case of cranial metastasis of thyroid carcinoma.

抄録

甲状腺癌はしばしば血行性転移を来すが, 頭蓋骨転移はまれである. 今回我々は甲状腺腫瘍の手術をしてから8年後に後頭部の皮下腫瘤に気づき, 翌年当科にて頭蓋骨腫瘍の診断で腫瘤を摘出し, 病理学的に甲状腺癌の転移と診断した1例を経験したので報告する.<br>患者は64才女性. 昭和50年に甲状腺片葉摘除術を受けている. 58年6月ころ, 後頭部の皮下腫瘤に気づき, 59年9月当科受診した. 神経学的陽性所見はなく, 頭部単純写にて後頭部正中に径8cm, 左前頭部に径1cmの骨欠損を認めた. 放射線学的に脳実質内に異常を認めなかつた. 外頸動脈のembolizationを行い, 翌日後頭部の腫瘍を全摘した. 病理診断は甲状腺濾胞癌の転移であつた.<br>文献上, 甲状腺癌の頭蓋骨転移で大きな腫瘤を形成した症例は少なく, これを全摘しえた例は本症例が初であると思われる.

収録刊行物

  • 医療

    医療 40 (5), 400-403, 1986

    一般社団法人 国立医療学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681289714944
  • NII論文ID
    130004313824
  • DOI
    10.11261/iryo1946.40.400
  • ISSN
    18848729
    00211699
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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