本態性高血圧症に対するβしゃ断剤による治療  ピンドロールと二・三薬剤の併用

書誌事項

タイトル別名
  • Therapy of Essential Hypertension with β-Blockers
  • ホンタイセイ コウケツアツショウ ニ タイスル ベータ シャダンザイ ニヨル
  • ―ピンドロールと二・三薬剤の併用について―

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抄録

高血圧に対しては従来より種々の治療法が行われ, それぞれ降圧効果が得られ, これにより脳疾患による死亡率は著しく低下したが, 虚血性心疾患に対しては無力に等しかつた. ここ数年β遮断剤による高血圧治療がなされ, これにより脳疾患ならびに虚血性心疾患による死亡の減少も期待し得るようになつた. 著者は今回本態性高血圧例にピンドロール1日15mgを他降圧剤と併用投与し, 明らかな降圧効果を認めた. サィアザイドとの併用における寒冷昇圧試験では, ピンドロール15mgはαメチルドパ750mgとほぼ同等の効果を示し, 塩酸エカラヂンとの併用においては, ピンドロール15mgはトリクロルメサイアザイド6mgとほぼ同等の効果を示した. これらの例ではピンドロールに明らかな降圧作用が認められた. サイアザイドとの併用は心不全の予防が期待され, 塩酸エカラヂンとの併用は, まれに見られる頻拍, 動悸などの防止に有効と考える.

収録刊行物

  • 医療

    医療 33 (1), 31-36, 1979

    一般社団法人 国立医療学会

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