虚血性心疾患の合併症に対する外科治療

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タイトル別名
  • キョケツセイ シンシッカン ノ ガッペイショウ ニ タイスル ゲカ チリョウ
  • Surgical Treatment for Complications of Ischemic Heart Disease

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抄録

心筋への血流の停止により非可逆的な心筋壊死に陥れば心筋梗塞となり, その心筋は収縮性を失いAsynergyを生ずる. 梗塞心筋量が全左心室重量の40~50%以上になると心臓はポンプ機能を失い重篤なシヨツクに陥る. 慢性期には梗塞壊死巣が瘢痕組織におきかえられ, 残存心筋の拡大肥厚などの代償機転が働き心機能が保たれる. これらの代償機転の働く前, すなわち急性期に難治性不整脈, 心臓破裂, 心室中隔穿孔, 乳頭筋断裂, 心原性シヨツクなどを合併すればその予後は不良である.<br>多くの合併症は外科治療の適応であるが, 急性期における手術成績は不良である. そこで急性期の心機能低下に対し病態に適した補助循環法を施行すると共に, 新しく変化した病態に適した代償機転の完成の促進を計ることも極めて重要な問題である.<br>本稿においては各種の虚血性心疾患の合併症の問題点とその外科治療について記載した.

収録刊行物

  • 医療

    医療 35 (7), 621-627, 1981

    一般社団法人 国立医療学会

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