胎児内胎児の1治験例について

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Fetus in Fetu
  • タイジナイ タイジ ノ 1 チケンレイ ニ ツイテ

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説明

本邦文献上に知り得たWillisの基準に相当する第12例目の胎児内胎児と診断を確定した例を報告した.<br>症例 60日男児, 腹部膨隆にて来院, 左腹部全体をしめる腫瘤を認めた. 腹部単純X線写真で腫瘤の脊椎骨, 肋骨, 両側下肢骨などを認めた. 消化管造影, 大動脈造影などを術前に行つた. 手術時腫瘤は左腎前方, 膵下後方, 下行結腸後方に被膜に包まれて存在し栄養血管は左腎動脈枝であつた. 摘出腫瘤は羊水様液体を除いて264g, 10×7×7cmで胎脂様物質に包まれ, 頭部, 体部, 下肢が認められた. 頭部には頭髪, 眼球様突出, 体部には中央に臍帯, 陰部は男性様生殖器構造, 下肢は大腿, 下腿, 足部に分化し足趾は右7本, 左5本でそれぞれ爪も存在した. 組織検査では腸, 皮膚など高度に分化していた.

収録刊行物

  • 医療

    医療 29 (12), 1231-1235, 1975

    一般社団法人 国立医療学会

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