泌尿器科領域とくに前立腺手術に関連して

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  • ヒニョウキカ リョウイキ トクニ ゼンリツセン シュジュツ ニ カンレンシテ

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抄録

前立腺肥大症の手術経験をもとに, 私達の老人外科に対する考え方と, 増加しつつある老人医療に対する問題点を述べた. 対象は過去5年9ヵ月間に前立腺手術を施行した55例(全手術708例の7.7%)である. 年令は70才以上が58%を占めた. 術前合併症は高血圧と心筋障害が多かつた. 手術の適応として, 腎の予備能力を示すPSPテスト値などを参考とし, 術式や麻酔を選択した. このうち9例は粘膜麻酔下に凍結手術を行つた. 46例が内腺摘出術(恥骨上式, 後式と, 私達の工夫した併用術式)で, うち28例が全麻, 残りは腰麻か硬膜外であつた. 手術や麻酔による死亡はなかつた.<br>術後合併症は63%に認められ, 1例を除いてすべて自然排尿を認めた. 以上老人の手術は, 術前に十分な観察と検査を行い, 合併症の治療や, 体力気力の充実を計り, 厳密に手術適応を決定すべきである.

収録刊行物

  • 医療

    医療 32 (12), 1468-1474, 1978

    一般社団法人 国立医療学会

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