心肺疾患における肺拡散能力の臨床的意義

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タイトル別名
  • Clinical Significance of Pulmonary Diffusing Capacity in Cardio-Pulmonary Disease
  • シンハイ シッカン ニ オケル ハイ カクサン ノウリョク ノ リンショウテキ

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抄録

各種心肺疾患における肺拡散能力(DLco)と肺循環動態を対比し, DLcoの臨床的意義について検討した.<br>1) 肺疾患群におけるDLcoは肺気腫群で著明に低下し(20.3±8.07ml/m/mmHg), 気管支喘息群で正常(35.4±10.4ml/m/mmHg)なことより, 閉塞性肺疾患群におけるDLcoの低下は換気血流比の異常のみを示すとは考えにくい. 肺線維症群では著明低下し(15.5±7.13ml/m/mmHg), DLcoとA-aDO2の間に逆相関を認めたことよりDLcoの低下は膜透過性の減少を示すと考えられる.<br>2) 心疾患群ではDLcoは左右短絡群(32.2土7.24ml/m/mmHg), 特発性心筋症群(33.4±8.06ml/m/mmHg), 僧帽弁膜疾患群(24.9±9.24ml/m/mmHg)で3群共に正常範囲にあつた. DLcoと肺血流の間に正相関を認め, DLcoの低下に肺血流が影響すると考えられ, DLcoの低下した場合, 心不全の存在が予想される.

収録刊行物

  • 医療

    医療 33 (4), 370-374, 1979

    一般社団法人 国立医療学会

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