胆道迷入が示唆され小腸造影で発見した回虫症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Ascariasis revealed by Intestinal X-Ray Examination, suggests Bile Duct Invagination of Ascaris
  • タンドウ メイニュウ ガ シササレ ショウチョウ ゾウエイ デ ハッケンシタ

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抄録

症例は51才男性,■の会社員. 主訴: 右季肋部痛, 悪心嘔吐. 既往歴: 18才胆石症の疑いで開腹手術(胆石認めず), 28才胃潰瘍で胃切除. 47才高血圧と慢性肝炎. 現病歴: 微熱, 右季肋部疝痛及び腰部放散痛を認め, 頻回の悪心嘔吐を生じたため入院. 入院時, 白血球9300と増加していたが, 好酸球は1%であつた. 軽度の肝機能障害とIgM 316mg/dlと高値を認めた. 十二指腸液, 糞便中に虫卵は認めなかつたが, 小腸造影で回虫を認め, 臨床経過から胆道内回虫迷入を疑いMelzer-Lyontestを施行したところ, 翌日25cm雄性回虫を嘔吐した. その後約1週間で肝機能はほぼ正常化した. 胆道内迷入は低酸の場合発生しやすく, その際IgMの上昇を認めるといわれており, 臨床症状を含めそれらの条件をすべて満す症例を経験した.

収録刊行物

  • 医療

    医療 33 (1), 72-75, 1979

    一般社団法人 国立医療学会

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