小児の脳動静脈奇形の3例

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タイトル別名
  • Three Cases of the Infantile Arteriovenous Malformation
  • ショウニ ノ ノウ ドウ ジョウミャク キケイ ノ 3レイ

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抄録

脳動静脈奇形の多くはくも膜下出血, 痙攣として, 10~30才代に発症する. Perret & Nishiokaの453例の総括的な報告では10才以下の小児では23例(5%)と比較的まれである. 最近我々は3例の10才以下の小児脳動静脈奇形を経験したので報告する.<br>症例1は6才4ヵ月の女児で, 主訴は頭痛と左半身の不全麻痺. 右頸動脈写を行つたところ, レンズ核線状体動脈を流入動脈とし脳底静脈に注ぐAVMを証明した. 症例2は3才6ヵ月の女児で, 主訴は頭痛. 右頸動脈写にて, 前大脳動脈を流入動脈とするAVMが認められ流出静脈は主として, 上矢状静脈洞および直静脈洞に流入していた, また同時に脳動脈瘤の合併が認められた. 症例3は9才8ヵ月の女児で, 主訴は頭痛と嘔吐. 左頸動脈写において, レンズ核線状体動脈を流入動脈とし, 拡張した流出静脈がガレン静脈に流入しているAVMが認められた.

収録刊行物

  • 医療

    医療 32 (7), 921-924, 1978

    一般社団法人 国立医療学会

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