糖尿病性昏睡を伴つた妊婦の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Report of Pregnancy Associated with Diabetic Coma
  • トウニョウビョウセイ コンスイ オ トモナッタ ニンプ ノ 1レイ

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抄録

糖尿病妊婦は, 妊娠中毒症, 羊水過多症, 奇形児の頻度が高いといわれ, また管理の良否が, 直接子宮内胎児死亡という不幸な結果ともなり, 産科領域において重要な課題の一つである.<br>私達は, 妊娠後期, 突然糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡を来した1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告した.<br>症例は, 37才, 経妊2回, 経産2回の妊婦で, 妊娠32週までは, 異常なく経過したが, その後, 全身倦怠感, 口渇, 多尿を訴え, 尿糖陽性を示し, 妊娠34週にて, 糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡のため, 緊急入院した. 入院後, インシユリン投与, 輸液により母体の状態は改善したが, 尿中E3値は, 次第に低下し, 死産した. 児は, S. F. D., 奇形はなく, 膵にβ細胞増殖によるポリープを認めた. 母親は, 分娩後, 経口糖尿病薬投与にて, 経過観察中である.

収録刊行物

  • 医療

    医療 32 (4), 495-498, 1978

    一般社団法人 国立医療学会

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