甲状腺機能亢進症状を伴うTBG減少症

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タイトル別名
  • TBG Deficiency with Hyperthyroidism
  • コウジョウセン キノウ コウシン ショウジョウ オ トモナウ TBG ゲンショ

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抄録

Thyroxine Binding Protein (TBG)欠損症は比較的希な疾患であり, ことに甲状腺機能亢進症状を伴うTBG欠損症は, 今日までに若干例を認めるに過ぎない. 患者は51才男子で, 甲状腺種, 眼突, 心悸亢進を主訴として来院. 初診時検査所見では, BMR: +41%, RT3U: 54%, PBI: 5.6μg/dl, T4: 6.9μg/dl, T3: 480ng/dl, 131I-uptake: 54%, Microsome test: 25600 dils, TRH test無反応であつた. 以上のデータよりバセドウ病と診断した. またPBIとRT3Uの解離よりTBG欠損を疑い, 微量の131I-Thyroxineを添加した患者血清をCellurose acetate膜電気泳動法を用いたAutoradiagraphyにより検索した結果, 明らかにTBG分画の欠損を認めた. またTBG結合舵も0.9μg/dl(正常値13.1~32.3μg/dl)と非常な低値を示し, バセドウ病を伴つたTBG減少症であることを認めたので報告する.

収録刊行物

  • 医療

    医療 31 (11), 1271-1274, 1977

    一般社団法人 国立医療学会

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