家政学とデザインの接点
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- 伊藤 紀之
- 共立女子大学家政学部
抄録
昨年秋の日本デザイン学会で「電気やぐらこたつデザインの変遷」の研究発表があった.諸外国には見られない日本固有の生活文化に根ざしたこたつのデザイン変化について報告された.興味深く聞いていると, 1966年に登場した折りたたみ式のやぐらこたつが紹介された.それはまぎれもなく私のデザインだった。現在ではほとんど見かけなくなったが, 自分の作品がある時代を特徴づける歴史のひとコマになっていることに, 改めて感慨深く感じた.<BR>当時, 家庭暖房の必需品であった電気こたつは春になると片づけることになるが, しまいにくいこともあり, テーブル代わりに一年中使っている人もいた.季節商品は使用しない時のことも考えに入れねばならない.また購入の際, 電気店から各自が持ち帰る製品であった.収納と運搬時にはコンパクトになるように二つ折りやぐらこたつを世に送り出した.市場の反響は良かった.翌年, 同業他社は似て非なる二つ折りのこたつを出してきた.その後, このタイプが市場の主流になった.
収録刊行物
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- 日本家政学会誌
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日本家政学会誌 50 (10), 1097-1098, 1999
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681310282112
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- NII論文ID
- 130003851660
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- ISSN
- 18820352
- 09135227
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可