気管支肺胞洗浄液中の好中球・好酸球増多を認め,胸腔鏡下肺生検にて診断した特発性非特異性間質性肺炎の1例

  • 磯部 全
    磯部クリニック 群馬大学医学部附属病院呼吸器アレルギー内科
  • 前野 敏孝
    群馬大学医学部附属病院呼吸器アレルギー内科
  • 折居 美波
    群馬大学医学部附属病院呼吸器アレルギー内科
  • 倉林 正彦
    群馬大学医学部附属病院呼吸器アレルギー内科

書誌事項

タイトル別名
  • Idiopathic Nonspecific Interstitial Pneumonia with an Increase in the Number of Neutrophils and Eosinophils by the Bronchoalveolar Lavage, Diagnosed by Video-Assisted Thoracoscopic Surgery : A Case Report
  • 気管支肺胞洗浄液中の好中球・好酸球増多を認め、胸腔鏡下肺生検にて診断した特発性非特異性門質性肺炎の1例
  • キカンシ ハイホウセンジョウエキ チュウ ノ コウチュウキュウ ・ コウサンキュウ ゾウ タ オ ミトメ,キョウコウキョウ カ ハイセイケン ニテ シンダン シタ トクハツセイ ヒトクイセイ カンシツセイ ハイエン ノ 1レイ

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説明

症例は60歳女性. 2007年9月頃より乾性咳嗽, 労作時呼吸困難 (F-H-JII度) が出現し, 同年11月当科へ精査目的にて入院した. また両手指の腫脹と関節痛, 朝の手指のこわばりも認めた. 安静時動脈血液ガス分析ではPaO2 64.8 torrと低酸素血症が認められた. 胸部単純レントゲンにて両下肺野のスリガラス陰影, 胸部CTでは両下葉優位の気管支血管束に沿うスリガラス陰影, 網状陰影を呈しており, 一部には牽引性気管支拡張像が認められた. 特に内服薬もなく, 膠原病を示唆する自己抗体はいずれも陰性であった. 気管支肺胞洗浄では, リンパ球, 好中球, 好酸球増多を認めた. 原因が特定できず, 胸腔鏡下肺生検にて得られた病理所見から特発性非特異性間質性肺炎と診断した. プレドニゾロン25mg内服を開始し, 症状, 画像所見ともに改善した. 一般的に特発性非特異性間質性肺炎の気管支肺胞洗浄液所見においてはリンパ球比率の上昇を認めることが多いが, 時に好中球や好酸球比率の上昇を認めることがあり注意が必要である. また本例は膠原病肺の肺病変先行型やUndifferentiated connective tissue disease (UCTD) の肺病変との異同が問題になった1例である.

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参考文献 (9)*注記

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