顎骨のFibro-osseous Lesion

書誌事項

タイトル別名
  • Fibro-osseous Lesions of the Jaws
  • ガッコツ ノ Fibro osseous Lesion 2 タハツ ビョウヘン
  • Part 2. Multiple Lesions
  • 第2編多発病変について

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抄録

顎骨に多発性に生じたfibro-osseous lesionの25例を病理学的に検討したが, これらは5群に分けられた。すなわち硬組織がセメント質様組織からなり, 非家族性に発生したもの (9例) と家族性に発生したもの (5例) , 骨様組織からなる腫瘍性病変で非家族性に発生したもの (3例) と家族性に発生したもの (3例) , および線維性骨異形成症 (5例) である。非家族性の.セメント質様硬組織を主体とする疾患は根尖性セメント質異形成症ないしいわゆるセメント質腫の像を示し, 病変の発生が広汎な症例では最近sclerotic cemental mass (Waldron et al.) , fiorid osseous dysplasia (Melrose et al.) の名称で報告されている症例と同一疾患であると思われる。発生部位は臼歯部が多かった。家族性の, セメント質様硬組織を主体とする疾患は既に赤坂らにより報告されており, その顎骨病変は根尖性セメント質異形成症に属する病変と考えられる所見を示すものが大部分であったが, いわゆるセメント質腫やセメント質形成線維腫と言える所見を示すものもみられた。骨組織を主体とする腫瘍性病変の組織像は非家族性, 家族性症例ともに化骨性線維腫と診断できるものであった。いずれもその発生は稀であるが, 特に自験例の家族性症例に相当する疾患は文献例にもみられなかった。線維性骨異形成症の上下顎にわたる多発例で, 他の全身骨にも病変をもつ多骨性症例は1例である。また1例は骨肉腫へ転化したが, この症例と併せて顎骨の線維性骨異形成症の悪性転化例についての文献的考察も行った。

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被引用文献 (5)*注記

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