新旧アマルガム表面のターニッシュと腐蝕に関する研究

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タイトル別名
  • Tarnish and Corrosion of Copper-rich and Conventional Amalgams
  • シンキュウ アマルガム ヒョウメン ノ ターニッシュ ト フショク ニカンスル

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抄録

アマルガムの変色および腐蝕を検討するため従来型アマルガム合金4種と新型の銅を多量に含むアマルガム合金5種によるアマルガムを用いて生理的食塩水 (pH7.0) 浸漬試験および口内装着試験を行い, それらの表面状態の変化をX線マイクロアナライザーにより観察比較検討し, 次のような知見が得られた。<BR>1) in vitro試験では従来型アマルガムの表面にはSnO2またはSnOの析出物が発生した。口内試験試片表面にはそのような析出物は器械的に除去されて見ることはできず, γ2相の部分では錫の溶出により凹みが認められた。いずれにせよ従来型アマルガムの耐蝕性の低いことが判明した。<BR>2) 銅を多量に含むアマルガムでは錫の溶出はほとんどなく高い耐蝕性を示した。しかしこれらのアマルガム表面は新たなγ1相の析出により光沢が失われていた。この現象はターニッシュ (Tarnish) のカテゴリーに入るものであろう。<BR>3) インジウムを添加した銅多量含有アマルガムは, 長時間浸漬するとマトリックス上にインジウムと錫の酸化物と思われる析出物が発生した。この現象は腐蝕であろうと思われ, インジウムをアマルガム合金中に添加することの危険性を示唆している。

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