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- 小野 富昭
- 東京医科歯科大学歯学部口腔外科学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- Electron microscopic observations of the abnormal keratinization in the oral mucosa
- コウクウ ネンマク ニ オケル ビョウテキ カクカ ニ カンスル デンキ ケンビキョウテキ カンサツ
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抄録
口腔粘膜における病的角化の機構ならびにそれに関与する微細構造を研究する目的で, 過角化を示めす白板症8例, 錯角化を示す扁平紅色苔癬5例, および臨床的に健康な付着歯肉上皮3例について, tonofilament, keratohyalin顆粒, membrane-coating granules (MCG) およびdesmosomeを中心に電子顕微鏡的に比較検討し, 次のような結果を得た。<BR>1.Tohofi1amentについて<BR>Tonofilamentは3者ともに基底細胞層から角質層表層にいたるまでのいずれの上皮細胞において認められる。しかし白板症の場合には上皮の全層にわたって総体的にtonofilamentの数が多く, その分布が密である。<BR>a) 基底細胞層から顆粒層にかけてtonofilamentは3者同様に順次発達し, 次第に数が増加する。<BR>それとともに束状に集束し, その集束は疎であるために個々の丘1amentが識別される。<BR>b) 角質層の細胞はいずれも全般的に電子密度が増大し顆粒層の細胞とは明確に識別される。<BR>イ) 扁平苔癬および歯肉上皮においてはtonofilamentの束が表層にいたるまで観察される。それらの集束は顆粒層におけると同様に疎であり, 個々のfilamentが識別される。<BR>ロ) 白板症におけるtonofilamentの束は角質層の深層までは他の2者とほぼ同様であるが, 中層では不規則に交錯し, かつ密に集束するようになり, 個々の丘lamentの識別は困難である。表層の細胞ではtonofi1amentが細胞質全体に密に充満するために均質的に電子密度が高く, filamentの束状構造はみられない。<BR>2.角質層を構成する細胞の核について<BR>扁平苔癬および歯肉上皮ではかなり表層まで変性した核を認めるが, 白板症では角質層の深層まで核が認められ, まれには中層にもそれが認められる。<BR>3.角質層のdesmosomeについて<BR>いずれの角質層においてもdesmosomeが認められ, その形態は下部細胞間のそれと類似している。<BR>しかし白板症の表層ではdesmosomeの数は少ない。<BR>4.Keratohyalin顆粒について<BR>Keratohyalian顆粒は3者ともに観察される。いずれも同一構造を示し, 電子密度が高く, 均一無構造で, RNP顆粒と関連している。Tonofilamentとの関連が明瞭なものと不明瞭なものとがある。<BR>5.MCGについて<BR>MCGは3者とも棘細胞の上部で出現し, 角質層下部領域で消失している。この顆粒は限界膜で囲まれ, その内部に層板状, うず巻状, 顆粒状およびそれらの移行を示す構造を有している。層板状の内部構造を有するものが多くみられる。
収録刊行物
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- 口腔病学会雑誌
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口腔病学会雑誌 37 (4), 312-337, 1970
口腔病学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681319034624
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- NII論文ID
- 130004281745
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- NII書誌ID
- AN00302674
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- ISSN
- 18845185
- 03009149
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- NDL書誌ID
- 8204654
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- PubMed
- 5279890
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可