露地夏秋作型の自根キュウリにおいて確認された黒点根腐病について

  • 岩舘 康哉
    岩手県農業研究センター 岩手大学大学院連合農学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Monosporascus Root Rot of Summer-Autumn Harvest Cucumber on Open Field Caused by <i>Monosporascus cannonballus </i>
  • ロジ カ アキサクガタ ノ ジコン キュウリ ニ オイテ カクニン サレタ コクテン ネグサレビョウ ニ ツイテ

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抄録

<p>2006 年8 月,岩手県一関市で栽培される露地夏秋作型の自根キュウリにおいて,地上部が萎凋し,根部が褐変腐敗するとともに直径0.3~0.5mm,黒色の子のう殻の着生を認める症状が確認された.分離菌の形態的特徴を調査した結果,本症状は,Monosporascus cannonballus によるキュウリ黒点根腐病と判断された.キュウリは通常カボチャ台木に接ぎ木して栽培されることから,カボチャ台木品種に対する分離菌の病原性について検討したところ,供試した3 種の台木品種いずれも自根キュウリに比較し発病程度が低かった.さらに,県内で夏秋作型栽培後のキュウリ根部から病原菌の分離を行い本病の発生実態を調査した結果,本病原菌はカボチャ台キュウリ栽培圃場からは検出されなかった.以上から,本病は自根キュウリ栽培では問題となるが,カボチャ台木を用いた接木栽培の場合は発生がない,あるいはほとんど問題にならないと思われた.</p>

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