ロールプレス液中圧縮法を用いた生材への薬液注入

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タイトル別名
  • Liquid Impregnation of Green Wood using a Roller-pressing Method
  • ロールプレスエキ チュウ アッシュクホウ オ モチイタ ナマザイ エ ノ ヤクエキ チュウニュウ

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抄録

直径500mmの薬液注入専用ロールプレス機を用い, 生材への薬液注入処理を試みた。試験片として, スギ (Cryptomeria japonica D. Don) 辺材, スプルース (Picea spp.) 心材およびベイマツ (Pseudotsuga menziesii Franco) 心材を用いた。<br>スギ生材の場合, ロールプレス液中圧縮法を用いて薬液注入を行うことで, 気乾材に比較して注入量は増大した。また, 圧縮率45%における厚さ10mmと20mmの試験片の注入量および繊維方向の注入量分布はほぼ等しかった。しかし, 木口断面での薬液の分布は厚さ10mm材ではほぼ均一だったのに対し, 厚さ20mm材では中央部が無処理のままであった。繰り返し処理によって, 注入量は増大し, 試験片中央部への薬液浸透量は増加した。<br>スプルースおよびベイマツ生材の場合, 繰り返し処理によって気乾材と比較して注入量が大幅に増加した。気乾材と比較して閉塞壁孔が少ないこと, 細胞内腔が湿潤して液体浸透性が向上していること, 湿潤した細胞壁によって圧縮変形の回復が迅速であることが理由として考えられた。<br>また, スギ生材レース単板への薬液注入処理を試みた。結果として, ソード単板より短時間の浸せきによって同等以上の注入量が得られ, 圧縮処理単板を用いて作製した単板積層材 (LVL) においても強度低下は生じなかった。

収録刊行物

  • 木材学会誌

    木材学会誌 51 (3), 159-165, 2005

    一般社団法人 日本木材学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (15)*注記

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