マツノザイセンチュウの生活環に関連する糸状菌 (II)

書誌事項

タイトル別名
  • Fungi associated with <i>Bursaphelenchus lignicolus</i>, the pine wood nematode (II)
  • マツノザイセンチュウの生活環に関連する糸状菌-2-
  • マツノザイセンチュウ ノ セイカツカン ニ カンレンスル シジョウキン 2

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説明

マツ健全木の幹からPestalotia, Papularia, Trichodermaが,枝からPestatotiaRhizosphaeraが,健全苗木の茎枝からRhizosphaera, Pestalotia, Cladosporiumが検出され,材中における糸状菌の潜在が示唆された。線虫の加害によりマツが異常.枯死を起こすと樹体内の糸状菌相は急激に変化し,枝幹上部にはCevatacystis, Daplodia, Macrophomaが,幹下部の辺材部にはVerticicladiellaが優占し,細菌も一時的に異常に増加する。健全木の糸状菌の中ではPestalotiaRhiaosphaeraが線虫増殖に好適でマツ樹体内で線虫の食餌の一つとして役立ちうることが示された。マツが異常を起こしてのちの材中での線虫の増殖にはCeratocystisDipdodiaが好適である。Ceratosystisは線虫とマツノマダラカミキジ両者の共存関係にもう一つ加わり三者で共存関係を形成することが示唆された。晩秋から早春に異常桔死を起こすマツからはマツノザイセソチュウは検出されず,材中から糸状菌Amylostereumが優占的に検出され,キバチ類との関連性やマツへの加害性など,線虫によらない枯損原因の一つとして検討の必要性が示された。

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