全国大学演習林における渓流水質

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  • Stream water chemistry of university forests over
  • ゼンコク ダイガク エンシュウリン ニ オケル ケイリュウ スイシツ

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抄録

森林地域における渓流水質の広域比較は, 環境変化による森林生態系への影響把握に重要な情報となる。全国大学演習林において,1998年6月の1カ月間, 渓流水の水質調査を実施した。調査した渓流数は45カ所である。pHは, 平均で7.1 (最大8.1,最小6.1) とほぼ中性であった。電気伝導度 (EC) は, 平均で64 (最大178, 最小19) μS/cmであり, 沖縄•佐渡という島部で海塩のためECが大きかった。島部を除いたECは, pH, 陽イオンの当量合計およびアルカリ度 (主にHCO3-) と正の相関がみられた。これは, 炭酸風化による陽イオンの放出の多い渓流ではECが大きく, プロトン (H+) を消費するためpHも高いことを示唆している。NO3-濃度は, 関東山地の調査渓流で高かった。群馬県の調査渓流では, NO3-とCa2+濃度に強い正の相関がみられ, 土壌の表層において硝化作用で生成したH+による交換性Ca2+の溶出が示唆された。

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