渓畔域におけるカツラ実生の発生サイトと定着条件

書誌事項

タイトル別名
  • Germination sites and establishment conditions of <I>Cercidiphyllum japonicum</I> seedlings in the riparian forest.
  • ケイハンイキ ニ オケル カツラ ミショウ ノ ハッセイ サイト ト テイチャク ジョウケン

この論文をさがす

抄録

渓畔林においてカツラの発生サイトおよび実生の定着条件を, 共存種であるシオジ, サワグルミと比較して明らかにした。カツラは砂礫地やリターのあるところでは発生せず, 主に鉱質土壌が露出しているところで発生していた。この原因として, カツラは種子や実生のサイズが小さいため, 砂礫やリターに埋もれてしまうこと, 砂礫地では乾湿の差が土壌面に比べ大きいことが考えられた。一方, シオジ, サワグルミは砂礫地であっても, またリターがあっても発生したが,これは両種の種子サイズが大型なため, 砂礫地やリターの堆積した立地でも地上に子葉を展開できること, 十分な長さの根を伸ばせることが原因と考えられた。1年生以上の実生の定着サイトで相対照度を比較した結果, カツラはサワグルミと同様, 15~20%程度の相対照度が必要なのに対し, シオジは5~10%でも生存できた。ただし, 土の露出した明るいサイトに多く発生するカツラの実生は, 大雨のときなどに土ごと流されることが多いため, 共存種のシオジやサワグルミに比べ実生による更新が困難なことが予想された。

収録刊行物

被引用文献 (8)*注記

もっと見る

参考文献 (19)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ