森林樹冠上における運動量,顕熱,水蒸気の乱流輸送特性

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タイトル別名
  • Turbulent transport characteristics of momentum, sensible heat, and water vapor above a forest canopy
  • シンリン ジュカンジョウ ニ オケル ウンドウリョウ ケンネツ スイジョウキ

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抄録

森林群落上の乱流輸送特性を明らかにする目的で,ヒノキ林内にタワーを設置し,超音波風速温度計と赤外線湿度変動計を使用して気温,比湿,風速の変動を観測した。観測結果に基づき,運動量,顕熱,水蒸気の乱流輸送特性を,大気の安定度と関連づけて解析した。不安定時に観測された気温,比湿変動の時系列の特徴から,森林樹冠上でのプリュームによる顕熱,水蒸気輸送の存在が示唆された。さらに,スペクトル解析を行ったところ,顕熱,水蒸気輸送のコスペクトルには,運動量輸送のコスペクトルにはない第2のピークが存在することから,顕熱や水蒸気がプリュームによっても間欠的に鉛直輸送されることが明らかとなった。顕熱の輸送に寄与する周波数は,無次元周波数で0.001から10, 運動量,水蒸気では0.001から5の間にあった。これより,森林群落上の輸送量測定においても,測定高と平均風速が極端な値をとらない限り,サンプリングの速さを10 Hz, 平均時間を10分とする今回の方法で,概ね問題のないことがわかった。

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