マツ枯れ被害林におけるアカマツ初期更新過程に及ぼす被害程度と地床処理の影響

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タイトル別名
  • Effects of light and forest floor conditions on the initial phase of regeneration of Pinus densiflora Sieb. et Zucc. in pine wilt disease forests
  • マツガレ ヒガイ リン ニ オケル アカマツ ショキ コウシン カテイ ニ オ

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説明

マツ枯れ被害林内において,その植生回復を目指し,アカマツの更新誘導を試みた。調査は岡山県内のアカマツ林(被害林および未被害林)の2カ所で行った。マツ枯れによる被害程度(上層下層の密度)により五つの調査区を設定し,そこに地床処理や下刈処理を行い,播種を行った。その後2年間追跡調査を行い,マツ枯れ被害林内におけるアカマツの更新の可能性を検討した。その結果,マツ枯れ被害が大きく林冠が大きく空いた林分や下刈や地かき処理を行った林床においては,未被害林分よりも実生の発生率や生残率が高く,成長量も大きかった。これは,マツ枯れが起こることにより,林内の光環境が明るくなったこと,土壌の有機物層が除去された場合,水分の吸収が容易になり,根系の乾燥を回避できたことなどが原因と考えられた。よって,マツ枯れ被害林におけるアカマツの更新は,成長初期過程においては可能であるといえた。

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