大量の上部消化管出血を来した十二指腸迷入すいの1例

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タイトル別名
  • A case of duodenal aberrant pancreas causing massive upper gastrointestinal hemorrhage.

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抄録

大量の上部消化管出血を来した十二指腸迷入膵の1例を経験した.症例は74歳女性,大量の吐下血を主訴として来院,ショック状態であり著明な貧血を認めた.緊急上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に不整型の粘膜下腫瘍様病変を認め,その頂部よりの湧出性出血を確認した.O-ringによる結紮術にて止血を行い2日後根治目的にて腫瘍核出術を行った.病変はVater乳頭部より2cm肛門側・後壁に存在しており,中心に5mm径の潰瘍をともなう径15mm大の低い隆起を呈していた.病変のほぼ中央部の粘膜下を径1mmの動脈が走行しているのが確認され,これを結紮切離し病変部を摘出した.病理所見では粘膜下層にHeinrich II型迷入膵が存在しその近傍に破綻した動脈が存在,粘膜下出血の形態をとっていた.

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