ジャガイモから分離されたキュウリモザイクウイルスの性状について

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タイトル別名
  • Some properties of cucumber mosaic virus isolated from potato plants in Japan.
  • ジャガイモから分離されたキュウリモザイクウイルスの性状について〔英文〕
  • ジャガイモ カラ ブンリサレタ キュウリモザイク ウイルス ノ セイジョウ

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説明

関東各地(東京,埼玉,栃木)で採集した,葉に斑紋症状を呈するジャガイモ20株より,DN法で径約30nmの小球形ウイルス粒子が見出された。病株はときに明瞭なモザイクや奇形を新葉に,ラインパターンを下葉に呈した。このうち1分離株について諸性状を調べたところ,汁液接種で8科24種の植物に感染し,ササゲ,インゲンマメで全身感染した。ジャガイモでは感染が接種葉に止ることが多く,全身感染は稀であった。本ウイルスはモモアカアブラムシによりNicotiana glutinosaからジャガイモ,N. glutinosaへ非永続伝搬され,罹病葉粗汁液を用いた寒天ゲル拡散法による血清試験では,CMV-Yの抗血清とよく反応し,CMV-Lのバンドと連結一致した。感染ジャガイモ葉の各種細胞の細胞質では散在,集塊した粒子が多数認られ,液胞内では結晶配列する粒子が観察された。以上から,本ウイルスはキュウリモザイクウイルスのマメ科系(CMV-L)と同定された。

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