書誌事項
- タイトル別名
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- Studies on Manufacture and Utilization of Invertase. Part I
- インベルターゼ ノ セイゾウ ト リヨウ ニ カンスル ケンキュウ 1 エキジョウ コウソ セイゾウ ニ カンスル 2 , 3 ノ チケン
- Manufacture of liquid lnvertase
- 液状酵素製造に関する2, 3の知見
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説明
酵母工業製品の一利用策として,いまだ国産化されていないショ糖転化酵素インベルターゼを製造し,これを食品工業に広く利用することを考えて研究に着手した。<BR>まず,輸入商品のインベルターゼ液について筒単な調査を行ない,これと同等の酵素液の製造工程について検討し,つぎの知見をえた。<BR>(1) インベルターゼ抽出原料としては,ある種のパン酵母が有望とみられるが,現在市販されているパン酵母,食飼料用野生酵母などはインベルターゼ含量がはなはだ低くインベルターゼ原料としての希望が持てない(第1図参照)。<BR>(2) 酵母細胞よりのインベルターゼ抽出は,圧搾酵母にトルオールを20ml/100g酵母の割合に混和,30℃で48時間自己消化後,水抽出すればよい(第2図参照)。<BR>(3) インベルターゼ抽出液とほぼ等量の冷エチルアルコールを添加すれば,インベルターゼをほぼ定量的に沈殿分離できる(第3図参照)。<BR>(4) 沈殿酵素は,pH 4.5の緩衝液に溶解しておけば長期間活性を保持できる(第4図参照)。<BR>(5) 上記各工程の検討にもとずき,酵素液の試作を行なった(第5図参照)。<BR>酵素液製造は技術的には比較的容易であるが,インベルターゼ低含有率の酵母を用いると沈殿剤の所要量が増し,非常にコスト高になる。インベルターゼ高含有率の酵母を用いれば,酵母1.5kgより酵素液1lを約500円の材料費で製造可能と認められる。<BR>(6) 酵母からインベルターゼを製造するさいに重要な点は,(1) インベルターゼ高含有率の酵母から出発すること,(2) 沈殿剤添加時の温度をできるだけ低く保ち失活をふせぐこと,(3) 沈殿剤(エチルアルコール)の回収,合理的使用に意を用いる,(4) 酵素液はpH 4.5付近の液に保存する,などである。
収録刊行物
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- 日本食品工業学会誌
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日本食品工業学会誌 13 (1), 1-7, 1966
社団法人 日本食品科学工学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681382009856
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- NII論文ID
- 130003966248
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- NII書誌ID
- AN00192587
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- NDL書誌ID
- 8389743
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- ISSN
- 00290394
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可