安定同位体比分析によるうなぎ加工品の原料原産地判別

  • 一色 摩耶
    独立行政法人農林水産消費安全技術センター
  • 中村 哲
    独立行政法人農林水産消費安全技術センター
  • 高嶋 康晴
    独立行政法人農林水産消費安全技術センター
  • 寺田 昌市
    独立行政法人農林水産消費安全技術センター
  • 鈴木 彌生子
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Determination of the Geographic Origin of Eel Products by Stable Isotope Ratio Analysis
  • アンテイ ドウイタイヒ ブンセキ ニ ヨル ウナギ カコウヒン ノ ゲンリョウ ゲンサンチ ハンベツ

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抄録

炭素,窒素,および酸素安定同位体比分析によるうなぎ加工品の原料原産地判別を検討した.酸素安定同位体比分析については,試料の酸素安定同位体比に及ぼす窒素の影響を補正する方法を検討した.分離カラム1.2 mを用いて測定し,かつ本研究で提案した補正計算を行うことで窒素の影響を軽減できることが分かった.また,うなぎ加工品の前処理である調味料洗浄過程における酸素安定同位体交換のリスクを評価し,本研究で用いた水洗浄は試料の値に影響しないことを確認した.最適化した分析方法を用いて,うなぎ加工品244件(日本産139件および中国産105件)を試料として分析した結果,全ての安定同位体比に有意差が認められた.また,同一産地の試料について収集年度による有意差が炭素および窒素安定同位体比については認められたが,酸素安定同位体比については認められなかった.分析結果に基づいて線形判別分析により判別関数を構築したところ,その予測率は日本産で97.8 %,中国産で83.8 %となった.高い予測率で判別可能であったことから,炭素,窒素および酸素の安定同位体比分析はうなぎ加工品の原料原産地表示の真正性を確認するための有効な分析法であることが示唆された.

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参考文献 (22)*注記

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