トチノキ種皮由来の高分子プロアントシアニジンの脂肪消化吸収に対する阻害作用

  • 木村 英人
    寿製菓株式会社開発本部研究開発室
  • 小川 智史
    寿製菓株式会社開発本部研究開発室 鳥取大学大学院連合農学研究科
  • 新見 愛
    寿製菓株式会社開発本部研究開発室
  • 地阪 光生
    鳥取大学大学院連合農学研究科 島根大学生物資源科学部生命工学科
  • 勝部 拓矢
    島根県産業技術センター
  • 横田 一成
    鳥取大学大学院連合農学研究科 島根大学生物資源科学部生命工学科

書誌事項

タイトル別名
  • Inhibition of Fat Digestion by Highly Polymeric Proanthocyanidins from Seed Shells of Japanese Horse Chestnut (Aesculus turbinata BLUME)
  • トチノキ シュヒ ユライ ノ コウブンシ プロアントシアニジン ノ シボウ ショウカ キュウシュウ ニ タイスル ソガイ サヨウ

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抄録

トチノキ種皮からの熱水抽出物をDiaion HP-20カラムとChromatorex ODS 1024Tカラムで分画した後,Sephadex LH-20のカラムクロマトグラフィーで3つの画分,すなわちF1,F2,F3に分離した.それぞれの画分について消化酵素のリパーゼに対する阻害活性を測定した.その阻害活性は,平均分子量13000のF2と31000のF3に回収された.F2より高分子のF3の方が強い阻害活性を示した.F2とF3は,B-タイプとA-タイプのインターフラバン結合を有するプロアントシアニジンである.プロアントシアニジン類を含む画分を用いて,マウスによる油脂負荷試験を行った結果,マウス体重1kgあたり200mgおよび500mg投与したところ,無投与群に対して有意に血中トリアシルグリセロール濃度の上昇を抑制した.同様のプロアントシアニジン類の標品を用いて単回投与毒性試験を行った結果,最小致死量は2000mg/kg以上であることが確認された.肝毒性の指標である血中のGOTとGPTの測定結果は,異常な値を示さなかった.以上より,トチノキ種皮に豊富に存在する高分子プロアントシアニジン類は,動物体内の消化管におけるリパーゼ活性阻害による脂肪吸収抑制を目的とした健康食品素材として期待できる.

収録刊行物

参考文献 (17)*注記

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