電着塗装における成膜機構

書誌事項

タイトル別名
  • Mechamism of Film Formation on Elctro-deposition Coating

この論文をさがす

説明

複雑な形状, 不均一な表面の被塗物が美観と基体保護のために塗装される. 均一に塗膜を形成させる性質, いわゆる “つきまわり性” において電着塗装は特にすぐれ, 興味深い成膜機構がある. 電着機構そのものは次のように極めて簡単である. 酸性の親水基が, 導入された樹脂を塩基で中和して水に分散し, 水性塗料が作られる. 通電すると水の電気分解で酸性化する陽極にもとの樹脂が析出する. 反対に塩基性の親水基が導入された樹脂は陰極に析出する. 陽極から酸化溶出する多価の金属イオン他, 種々の電解質の共存する疎水コロイドの安定性の把握が電着塗装の実施技術にかかわる. 電着塗装は益々自動化・省力化が進み生産性が高まって, 用途が広がるだろう. 一方均一な電流分布となる電着槽では, 電着物に特殊な性質を付与することが期待される. このときはじめて機能を持った膜の成膜手段として電着が利用され今後の展開が期待される.<BR>1. はじめに<BR>2. 電着塗装工程<BR>3. 電着塗料<BR>4. 電着機構<BR>5. 連続皮膜形成機構<BR>6. つきまわり性<BR>7. 塗膜の形成とその機能

収録刊行物

  • 膜 2 (5), 362-372, 1977

    日本膜学会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ