牛の単球白血病について : I. 細胞学的観察2例

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タイトル別名
  • MONOCYTIC LEUKEMIA IN CATTLE : I. CYTOLOGICAL OBSERVATIONS OF TWO CASES
  • ウシ ノ タンキュウ ハッケツビョウ ニ ツイテ 1 サイボウガクテキ カンサツ 2レイ エイブン

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抄録

従米,著者らは岩手県内に発生ずる牛白血病例について,細胞病理学的および病理組織学的研究を行なっている.その中で,生1)q著明な白血球の増数を来たし,症状発現後,約1カ月の経過でへい死した乳牛2例について 細胞学的観察を行なった.その結果,これらが単球白血病であることを確認した.血液所見上,白血球数はそれぞれ約20万および42万を算した.赤血球数はこれに反して漸減し,それぞれ200万および300万台を示した.末梢血液のメイーギムザ染色塗抹標本は,濃密に並ぶ単核細胞群を示し,好中球およびリンパ球は,きわめてまれにしか認められなかった.これらの1′11核細胞は,過酸化酵素反応が陰性で,核は,類円形を示すものから,各種各様の弯人を示すものなど,雑多である.しかし,いずれも核網はせん細であって,中には明瞭な核仁を示すものもある.またしばしば直接および間接分裂像力号忍められる.原形質は灰青色に染まり,広狭種々である.1例における骨髄液の塗抹標木では,同様の細胞が主体をなし,特に原形質の突起形成が著明に認められた.また,末梢血液に中性赤・ヤーヌス緑超生体染色を行なうと,所在細胞はほとんどすべて定型的中性赤ロゼットを形成ずる.墨粒寅喰能も,一部の細胞に認められた.なお,1片,肝,腎および脊髄管内増殖組織などのメイーギムザ染色塗"抹標本においても,出現細胞はおよそ末梢血液中に見られたものと同様の形態および染色性を示1ッ,単球の特徴を具えたものであった.

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