副腎皮質による髄質のコントロール機構に関する研究

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タイトル別名
  • Control of the Adrenal Medullary Function by the Adrenal Cortex
  • フクジン ヒシツ ニ ヨル ズイシツ ノ コントロール キコウ ニ カンスル ケンキュウ

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説明

副腎の皮質と髄質は組織発生上, 全く異なる組織であるが, 哺乳類においてのみ, 皮質が髄質を完全に包囲し, その血行も吻合を通して髄質に注ぎ, 皮質ホルモンを高濃度に含んだ血液によつて髄質が常に洗れているなど, 皮髄質両者の間に, 直接の相互関係の存在することが想像される.<BR>また比較解剖学の示すところでは, 皮髄質両組織が全く分離して存在する魚類では, その髄質ホルモンがNoradrenaline (NA) であるのに対して, 両者が密接している哺乳類では殆どAdrenaline (A) である.1)<BR>この哺乳類の生体内でAが生成される最終段階はNAにS-adenosyl-L-methionineのメチル基を転移せしめることによつてなされる2). これは副腎髄質申に高濃度に局在するPhenylethanolamine-N-methyltransferase (PNMT) の酵素反応による.3) しかも生体の循環血液中のAの大半はこの副腎髄質内で生成されたCatecholamine (CA) に由来することが知られている4).Fig.1.<BR>今回, 皮質による腎質の支配機構を研究する目的で, 下垂体剔出ラッテと正常ラッテについて副腎内PNMT活性とCA代謝酵素であるCatcchol-O-methyltransferase (COMT) 活性, およびA含量, 副腎重量らをおのおの測定して, Wurtman, Axelrod一派5)6)の追試に始まり, さらに, 家兎副腎内のPNMT酵素を精製し, in vitroでACTHおよびglucocorticoidがPNMT活性に与える影響, また3'-5cyclicAMPがこれらホルモンの存在下でPNMT活性に与える影響を追求したので報告する.

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