姉妹およびその母親に発症をみた悪性貧血の1家系

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  • PERNICIOUS ANEMIA IN TWO SISTERS AND THEIR MOTHER REPORT OF A FAMILY CASE

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成人型悪性貧血の家族内発生に関する報告は本邦ではきわめてまれである.私達は,母親(67才)およびその娘である姉妹(47才, 42才)に,ほぼ期を一にして発症した悪性貧血の一家系を経験したので報告する.三者に共通して,著明な貧血と胃粘膜の萎縮,ガストリン不応性無酸症,内因子抗体,壁細胞抗体陽性所見を認めた.姉妹はともにマイクロゾーム抗体が高値を示したが,他の自己抗体は検出されなかつた.ビタミンB12治療によく反応したが,神経症状がやや難治性であつた.血縁関係者を可能な限り検索したが,現在までのところ陽性所見は認められていない成人型悪性貧血の遺伝的背景ならびに自己抗体との関連意義は未だにつまびらかでないが,このような観点からも本症の家族内発生例は興味深く,本家系は貴重な症例と考える.

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