肝生検材料にて診断し得たアルギニノコハク酸合成酵素欠損症の1剖検例

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  • A case of argininosuccinate synthetase(ASS) deficiency diagnosed by the measurement of ASS with the liver biopsy specimen.

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症例は43才の男性で,意識障害を主訴に,新潟大学附属病院に入院となった.血液検査では,肝機能異常は認められなかったが,血中アンモニアが高値であった.脳波では,典型的な三相波が認められた.経皮経肝門脈造影でも,大循環系との側副血行路は認められなかった.尿中および血中アミノ酸分析を施行したところシトルリンの高値を認めた.腹腔鏡下肝生検にて, argininosuccinate sythetase (ASS)の欠損を認めたが,他の四つの尿素サイクル関連酵素は,正常範囲であった.死亡後,剖検腎にてASS活性を調べたところ,正常であり, ASS欠損症TypeIIと診断された.治療は, 1日40g以下の蛋白制限と,分岐鎖アミノ酸製剤や安息香酸Naの投与を行ったが,効果を示したのは初期のみで次第に効かなくなり,発症より約5カ月後に,高度の脳浮腫を合併して,死亡した.

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