消化器疾患と胃排出能第1報

書誌事項

タイトル別名
  • GASTRIC EMPTYING IN PATIENTS WITH GASTRODUODENAL DISEASE FIRST REPORT
  • ショウカキ シッカン ト イ ハイシュツノウ 1 ショウカセイ カイヨウ ト
  • PEPTIC ULCER AND ITS RECURRENCE
  • 消化性潰瘍とその再発

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説明

試験食として自然食を主とした流動食を用いたacetaminophen(以下APAPと略す)法で胃排出機能検査をおこない,服用後45分の血中APAP濃度(mcg/ml)をもつて胃排出能とした.消化性潰瘍の胃排出能,酸分泌能と胃排出能に検討を加え胃潰瘍と十二指腸潰瘍の相違を胃排出能の面から考察した.又消化性潰瘍の再発とそれぞれの潰瘍の胃排出能との関係についても検討した.活動期の胃潰瘍,十二指腸潰瘍の胃排出能はそれぞれ, 7.7±3.3mcg/ml, 11.3±3.4mcg/mlであり,健康正常者のそれは9.4±2.6mcg/mlであつた.胃潰瘍では明らかに胃排出能の遅延(p<0.05)が認められ,十二指腸潰瘍では明らかに胃排出能の亢進が認められた(p<0.05).酸分泌能との関係では胃潰瘍では低酸,正酸,過酸をとわず胃排出能の遅延が認められたのに反し,十二指腸潰瘍では過酸ほど胃排出能の亢進が認められた(p<0.025).再発のあきらかな胃潰瘍患者の胃排出能は6.8±3.0mcg/mlであり,再発未確認例(10.4±4.3mcg/ml)に比し有意に胃排出能の遅延が認められた(p<0.005),一方,十二指腸潰瘍においては再発のあきらかな例の胃排出能は11.9±4.0mcg/mlと,再発未確認例の9.3±3.5mcg/mlに比し明らかに胃排出能の亢進が認められた(p<0.025).

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