書誌事項
- タイトル別名
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- TWO CASES OF BILATERAL OPTIC ATROPHY AND TOTAL BLINDNESS FOLLOWING CEREBRAL HEMORRHAGE
- ノウ シュッケツゴ タン キカン ニ リョウソク シシンケイ イシュク オ キ
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抄録
脳出血後に両側視神経萎縮を伴い両眼失明を来した2例を報告する.脳卒中後に皮質盲を来すことがあることは知られていたが,両側視神経萎縮を伴つた両眼失明合併の報告はこれまでにみられない.症例1. 35才,男と症例2. 44才,女.いずれも高血圧症があり,症例1は突然の意識障害,右片麻痺で発症し,乳頭浮腫,昏睡状態が約1カ月持続.以後意識が回復するとともに視力喪失を訴え,約4カ月後の眼底検査で著明な両側視神経萎縮が認められた.発症11カ月後の頚動脈写で左線状体動脈の内方偏位を,またCTスキャンで左被殻部にlow density lesionを認め,左被殻出血と診断した.症例2は突然の頭蓋内圧亢進症状,左不全麻痺で発症し,以後急速に意識障害,左片麻痺が進行.翌日,腰椎穿刺で初圧320mmH2O,血性髄液が得られ,乳頭浮腫出現. 16日後から意識が回復しはじめるとともに視力喪失を訴えはじめ, 53日後に両側乳頭蒼白となつた.頚動脈写で右線状体動脈は内方に偏位し,発症様式,髄液所見からも右被殻出血と診断した.症例1, 2とも頚動脈写で,眼動脈,中大脳動脈等,いずれの頭蓋内動脈にも閉塞を認めず,外側型脳出血の頭蓋内圧亢進が数週間以上続いたための“乳頭浮腫後視神経萎縮”と考えられた.脳出血後の失明予防には,早期にCTスキャン等で診断を確定し,手術やステロイド投与等で減圧をはかることが肝要と思われる.
収録刊行物
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- 日本内科学会雑誌
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日本内科学会雑誌 67 (11), 1412-1419, 1978
一般社団法人 日本内科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681422776960
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- NII論文ID
- 130000890331
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- NII書誌ID
- AN00195836
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- ISSN
- 18832083
- 00215384
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- NDL書誌ID
- 2074992
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- PubMed
- 731110
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可