病態肺組織の組職化学的研究とくにコハク酸脱水素酵素および乳酸脱水素酵素活性について

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タイトル別名
  • HISTOCHEMICAL STUDIES ON DISEASED LUNG TISSUES WITH SPECIAL REFERENCE TO SUCCINIC DEHYDROGENASE AND LACTIC DEHYDROGENASE ACTIVITIES
  • ビョウタイ ハイ ソシキ ノ ソシキ カガクテキ ケンキュウ トクニ コハクサン ダツスイソ コウソ オヨビ ニュウサン ダツスイソ コウソ カッセイ ニ ツイテ

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説明

担癌肺でのLDH活性の組職化学的研究は多いが,結核肺では少なく,また,両疾患の病巣部とその他の肺組織で, SDHとLDHの両活性を同時に検索比較した報告もほとんどない.著者は,教室の呼吸器疾患の性化学的諸検索の一環として,両疾患の臨床例(32例)および実験例(20例)の肺組織について,両活性を組職化学的に検索して,エネルギー代謝の一端を究明しようとした.結核肺では有空洞例を中心として,洞壁の各層の変化を中心に検索した.非硬化厚壁空洞例では洞壁および洞周囲部組織のSDH活性は増強し,とくに類上皮細胞反応層で著明な活性をみとめた.比較的陳旧性の濃縮化空洞ではSDH活性は一般に減弱化したが, LDH活性は著明な増強傾向を示し,また,硬化薄壁空洞での多くの例では両活性とも減弱した.肺癌切除肺では著明なLDH活性の増強をみたのに対して, SDH活性は中等度ないし弱陽性のものが多く,実験結核肺では空洞完成期の洞壁でのSDH活性は最も強く,時日の経過とともに減弱した.ウサギの実験肺癌(Brown-Pearce肺癌)では,腫瘤辺縁部の腫瘍細胞群で両活性とも増強したが,総体的には著明な減弱をみた.

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